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ITプロマネのブログ

IT業界、プロジェクトマネージャーのブログ

パッケージかスクラッチか

新しい客さんの営業の方にお会いしてご挨拶をしてきた。

なかなかの好青年だ。
姿勢が良い。話すリズムが良い。細かな気遣いが良い。
白髪のおじさんをさりげなく立てながら、テンポ良くお互いの自己紹介が進んだ。
久しぶりに気持ちよかった。

今はSES営業だが、3年ほどSAP /R3でのシステム開発も経験したそうだ。
SAP /R3はドイツで生まれた統合基幹業務パッケージシステムだ。
日本でも多くの大企業が基幹業務システムとして採用している。

パッケージシステムによるシステム開発とは、既に標準的な機能を持ったパッケージシステムに対して、導入するユーザの業務実態に合わせてカスタマイズ(変更)することにより、ユーザー業務にあったシステムを構築していく手法だ。
これに対してスクラッチ開発(新規開発)とは、すべての機能を一から構築していく手法だ。

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一般的にパッケージシステムによる開発は既に多くの機能を持っているわけだから安く、スクラッチは一からすべて構築するのだから高いと思われていた。これはある意味当然のことだ。
ところがやってみるとそうではいケースが多発した。なんとSAP /R3を使って開発するとスクラッチ開発の3倍の費用がかかったという。その頃はSAP /R3に悪評が立っていた。

私はSAP /R3での開発には携わったことがないので実体験から評価することはできないが、似たような経験から推察することができる。
日本の企業の場合は自社の業務実態にシステムを合わせようとする。そのため企業の業務実態がSAP /R3の標準機能から大きくかけ離れていると、スクラッチ以上に費用がかかることも容易に想像できる。一度構築したシステムは、設計思想を根本から変更するような大幅改修は辞めた方が良い。大変な費用がかかる上にシステムが安定しなくなることが多い。このようなケースはスクラッチ開発をした方が得策だ。昔はパッケージを導入する企業も、導入を進めるベンダーも素人だったのだろう。最近は企業にパッケージが適合するかどうかの調査を念入りに行うようになったようだが。
SAP /R3の開発経験のある営業の方は、とても納得いった様子で、そうなんです、そうなんです、と相づちを打っていた。

昔は日本のソフトウェア開発市場に於けるパッケージソフトウェア市場は微々たるもので、アメリカでは50%以上がパッケージソフトウェア市場だった。
恐らく企業風土の問題だと思う。
日本は現場を大切にするので、現場の仕事の仕方、流れを重視する。だから、スクラッチ開発が合っている。アメリカは経営陣の力が絶大なので、パッケージを使うことが経営陣によって決定されれば、現場はそのパッケージの流れに合わせて仕事をするように変更するのだ。
つまり、日本は人に合わせてシステムを作る、アメリカはシステムに人が合わせるのだ。代表的な民主主義の国アメリカより、日本の方がより民主的だと思うが?
最近の動向はよく知らないので、ちょっとした昔話と思っていただいた方が良いのかもしれない。

話はそれるように見えて、恐らく、根は同じだと思われる話をもう一つ。
昨今はアメリカ大統領のトランプ氏が日本のニュースの主役となっている。次から次へと大統領令を発効する。大統領一人の意思でこんなにも多くの国策を決めることができるとは知らなかった。これが議会制民主主義の代表的な国のシステムなのだろうか。
あるニュースで解説者がこう言っていた。
アメリカは大統領を決めるときは民主主義だが、いったん大統領が決まると4年という期限付きの独裁国家になると。
大統領の立場からすると4年ぐらいの時間がないとやりたいことができないのだろうが、私のような一市民からすると4年も独裁されてしまうのはちょっと怖い。効率的なシステムだとは思うが、やはりちょっと、怖い。

システム開発の話の中で、企業風土という言葉を使ったが、国を統治するシステムにも、国の風土、お国柄というものがあるようだ。