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ボランティア3 釜ヶ崎の救急隊員

いつの間にか、ボランティア活動に夢中になっていた。

大阪市西成区釜ヶ崎のどや街に入り込んで、越冬闘争と呼ばれていた活動をした。
仕事にあふれたおっさんたちが、道ばたに寝ている。真冬だ、朝までに凍死して
しまう。毛布を配ったり、お粥を配ったり。

深夜にパトロールをしていると、ものすごい咳をしているお

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っさんがいた。
未だにあんな咳は聞いたことがない。痰が絡み、胸はゼーゼー。
大丈夫ですか、と話しかけても答えない。いや、間違えなく答えられないのだ。
すぐ死んでしまうのではないか、と思った。
近くの公衆電話から救急車を呼んだ。

しばらくして、救急車が着いた。救急隊員が二人降りてきた。
これで助かる、と思った。
救急隊員にすぐ近寄ると、一人がこう言った。「どいつだ。」
「このおじさんです。」と答えた。
救急隊員はこう言った。「またこいつか。」
そして二人の救急隊員は、そのおっさんを救急車に投げ込んだ。
次の瞬間一人の救急隊員の胸ぐらを掴んでいた。
「おまえら病人にどういう扱いをするんだ。」
一人の隊員が言った。
「申し訳なかった、でもおれたちは毎晩こいつらに呼ばれて、疲れ果てているんだ。」
意味がわからなかった。

宿に戻り、先輩にこのことを話した。
すると先輩はこう言った。
「彼らにとって病院は一泊二食付きの暖かい無料の宿だから、
自分で救急車を呼ぶんだよ。」
何も言えなかった。

弱者を守るために活動していたつもりだったが、
おっさんと救急隊員のどちらが弱者かわからなくなった。
自分が何をしているのかわからなくなった。