ITプロマネのブログ

IT業界、プロジェクトマネージャーのブログ

”Yes”ということは必ずしもお客様のためではない

 

説教モードが続きいやになった読者の方もいらっしゃるかと思うけど、勢いに乗ってもう一つ。
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ソフトウェア業界の管理サイド(PMやシステム部長や営業など)には困った人が多い。お客様に”Yes”しか言わない。一体何しに来ているのだろうか。それで仕事しているつもなのだろうか。

お恥ずかしい話であるが、この業界で昔から言われている不思議なことがある。ソフトウェア業界のシステム開発プロジェクトは7、8割失敗している。つまり、納期遅れか赤字を出しているというのだ。成功率は2、3割野球の打率の方がまだましか。日本は技術立国だとも言われる。その日本で起きている珍現象である。しかし残念なことだが、僕の経験からも成功率はそんなものだと思う。これは管理サイドの過度なお客様至上主義というか、”Yes”マン主義に責任がある。

赤字や納期遅れの構造は簡単だ。システム開発の最初にあるシステム要件(こんな仕様で開発して欲しいというユーザの業務内容や要望等)を前提として見積書をユーザに出す。これには納期と金額が書かれている。双方納得してプロジェクトはスタートする。ところが前提となったシステム要件が途中で変更される。変更されるまでに行った作業は無駄になる。この要件変更が何度も繰り返されるのだからたまらない。ユーザから「最初の納期と金額でやってくれるよね」と聞かれ、これに対して管理サイドは”Yes”と言ってしまう。保身のためだろうが、この無責任な”Yes”に技術者は泣かされることになる。最終納期は変わらないのに当初約束されていたシステム要件は何度も覆され、実質的な納期はひたすら短くなる一方だ。金額も変わらないので技術者を増やして済む作業があっても増員されない。そして残業、徹夜が当たり前になる。今国会で残業規制されるようだが、この業界で見る勤務実態はかなりひどい。僕が経験したプロジェクトでも1ヶ月の残業時間は200時間を超えることが日常茶飯事だ。

たとえ相手がユーザでも言うべきことは言わなければならない。仕事に責任を持つなら当然のことだ。要件変更があることは致し方ないとして、工期を延ばしたり、開発金額を増やしたりすることは要求すべきだ。ある大手メーカーの部長らからこんなことを聞く。「システム開発は赤字になるので、開発後の保守契約で取り返す。」
つまり、既に開発の黒字化は諦めている。その上金額が不透明にもできる保守契約で取り返すというのである。
技術立国日本は少なくとも大手メーカーでは終わっている。恐らく零細企業辺りに本当のプロがいらっしゃるのだろう。情けなくなる。

”Yes”ということは必ずしもお客様のためではない。しかし保身のためか、そう言ってしまう人が多い。困ったことに上長ほどこの傾向が強い。これでは示しが付かないどころか、若い人たちが本当に可哀想だ。大きな夢を持って社会に出たは良いが、ものの2、3年で幻滅することだろう。若い人に文句を言う前に我々親父がしっかりと自分を持って、自分と向き合って生きねばならない。