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ITプロマネのブログ

IT業界、プロジェクトマネージャーのブログ

ボランティア6 連続放火魔

軽度の知的障害児の施設に通うことから、僕のボランティア活動は始まった。

この施設の目的は社会復帰させること。
しばらく活動していると、大きな矛盾を感じることとなった。
社会復帰できない子どもたちは一見不幸に思える。
もちろんそれも不幸なのかもしれないが、
社会復帰できてしまった子供たちの不幸には目を覆う。

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ある卒園生のこと。
ある時先生と話していたら、手伝ってほしいことがあるという。
実はこの施設の卒園生のAくんが無実なのに罪をきせられて、
終身刑を課せられそうだという。
そんなことがあるのか、疑心暗鬼だった。
何を手伝えばよいのかを尋ねると、
裁判の傍聴に来てほしいという。
お安いご用なので仲間をかき集めて傍聴に言った。

その子の生活は悲惨だった。
1ヶ月ほとんど休みなく働いて、給料は5万円ほど。
月の3分の1は水だけで暮らしている。
悲鳴を上げて、施設の先生たちに支援してもらっていた。
そんな劣悪な環境の中で事は起きた。

ある下町で酒に酔った勢いで、路上の車の窓ガラスを割ってしまった。
現行犯で捕まった。
弁護の余地は当然あると思ったが、やってしまったことはやってしまったこと。
捕まるのは仕方ないと思った。
ところが、
その地区で連続放火事件が十数件続いていた。
そして、その犯人は捕まっていなかった。
警察は仕立てに入っていた。
その子を、知的障害児のその子を、連続放火事件の犯人に仕立てに入っていた。

自白書、
警察官がすべて書き記し、知的障害児のその子にこう言う。
警察官・・・「おまえ家に帰りたいか。」
知的障害児のその子・・・「はい。」
警察官・・・「だったら、ここに拇印を押せ。」
知的障害児のその子・・・「はい。」

物証、
それらしいものをあちこちに置き、カメラの日付を変えて写真を撮りできあがり。

裁判官、彼らもひとだ。いろいろと取りそろえられるとそのように見えてくるのだろう。
施設の先生は、このままいくと有罪になる、状況はきわめて劣勢だ。
とにかく、傍聴に来てほしい。
大勢で傍聴に詰めかけると、裁判官も手を抜けない。
傍聴しだしてしばらくすると、劣性転じて、無罪。
もし、先生たちが、活動しなかったら、もし、僕たちが動かなかったら、
連続放火犯、無期懲役だ。

人生の前半が知的障害児の施設で、後半は刑務所。
それも無実の罪?で。こんな事が許されていいのか。

この子が望んだ人生ではない。
人生の前半も、そして後半も。
せめて、後半の一部は手助けできたのか。
いや、もっと大きな不幸が待っているのかもしれない。

施設の先生は、昼間は施設の子供たちを見て、これはある意味では仕事。
でも、夜も休日も仕事?ボランティアをやっている。
卒園生の面倒を見ているのだ。
敬服する。

それにしても、権力者たちへの憤りは、収まらない。